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今回はPythonのタプル(tuple)をより便利に使えるようにするcollectionsモジュールの中の機能、namedtupleの紹介です。
Contents
Pythonのタプルは例えば次のように作成できます。
new_tuple = ('Tom', 'USA)
そしてインデックス(何番目かという情報)を使って次のように使えます。標準ではインデックスは「0番」から始まります。
print(new_tuple[0])
結果は「Tom」と表示されます。
このようにタプルはインデックスを指定することでしかその情報にアクセスできません。
今回のようにタプルの要素が2つしかなければ、それでもいいのですが、要素が10個とかになってくると、「インデックスの8番目って何の情報だったかな?」とわからなくなります。
この点、辞書の場合だとキーワードを使ってその情報にアクセスできます。たとえば、
new_dic = {'Name':'Tom', 'Country':'USA'}
という辞書を作ると、
という情報がわかりやすくなります。
これはコードの可読性・理解を向上させます。
普通のタプルだとその中身が多くなるとこのような可読性が損なわれてしまうのですね。そういった不便がタプルにはあります。
そこで、通常のタプルをもう少し使いやすくする、タプルを拡張させるような機能がPythonには標準で用意されています。それが、collectionsモジュールの中にあるnamedtupleという関数です。
Pythonに標準で用意されているcollectionsモジュールとは、Pythonの公式ドキュメント(collections — コンテナデータ型)によると、
このモジュールは、汎用の Python 組み込みコンテナ dict, list, set, および tuple に代わる、特殊なコンテナデータ型を実装しています。
と記載されています。大雑把にいうと、標準の辞書、リスト、セット、タプルといったものの機能を拡張して便利に使えるようにするモジュールという意味です。
そしてそのcollectionsモジュールには、次のような機能が含まれています。
namedtuple() | 名前付きフィールドを持つタプルのサブクラスを作成するファクトリ関数 |
deque | 両端における append や pop を高速に行えるリスト風のコンテナ |
ChainMap | 複数のマッピングの一つのビューを作成する辞書風のクラス |
Counter | ハッシュ可能なオブジェクトを数え上げる辞書のサブクラス |
OrderedDict | 項目が追加された順序を記憶する辞書のサブクラス |
defaultdict | ファクトリ関数を呼び出して存在しない値を供給する辞書のサブクラス |
UserDict | 辞書のサブクラス化を簡単にする辞書オブジェクトのラッパ |
UserList | リストのサブクラス化を簡単にするリストオブジェクトのラッパ |
UserString | 文字列のサブクラス化を簡単にする文字列オブジェクトのラッパ |
今回はこのうち、一番上のnamedtuple()関数の紹介です。
namedtuple関数については、上記公式ドキュメントでは次のように説明されています。
ypename という名前の tuple の新しいサブクラスを返します。新しいサブクラスは、 tuple に似ているけれどもインデックスやイテレータだけでなく属性名によるアクセスもできるオブジェクトを作るのに使います。このサブクラスのインスタンスは、わかりやすい docstring (型名と属性名が入っています) や、 tuple の内容を
Pythonの公式ドキュメント(collections — コンテナデータ型)よりname=value
という形のリストで返す使いやすい__repr__()
も持っています。
ポイントは「tupleに似ているけれども」という点、そして「属性名によるアクセスもできるオブジェクト」を作ることができるという点です。
まるでクラスのようですね。
もちろんクラスそのものではないのですが、個人的には乱暴な説明ですが「タプルのクラス化」あるいは「クラスっぽいタプルオブジェクトを作る」というイメージを最初に持つとわかりやすいと思います。
collectionsモジュールのnamedtuple()をさっそく使ってみましょう。
まずcollectionsモジュールの内部にあるので、次のようにインポート文によってインポートします。
from collections import namedtuple
そして次のように使います。
LawsonShop = namedtuple('Lawson', 'store_code, address, store_type')
まず右辺ですが、これは、namedtuple関数によって、
という情報を持つサブクラスを作るという意味です。
注意していただきたいのが、右辺の中の、
'store_code, address, store_type'
の書き方です。上のものはコンマで区切っていますが、
'store_code address store_type'
このように半角スペース1つで区切って書くことも可能です。
しかし、
'store_code', 'address', 'store_type'
このように、引用符でそれぞれの単語を区切るというリストを作るときのような書き方はできません。なぜかというと、この部分は、実は「文字列.split()」が呼ばれてそれが実行されているからです。ここでいう文字列は全体tとして1つの文字列ですので、複数の文字列となる書き方は不適切となります。
そして、できあがったサブクラス(つまりクラス)を左辺のLawsonShopの代入しています。よってLawsonShopもサブクラスであって、クラスの一種です。
左辺と右辺のオブジェクトが同一なのかどうか調べてみましょう。
id(Lawson)
id(LawsonShop)
これでそれぞれのオブジェクトIDを確認すると異なり、左辺と右辺はそれぞれ別のオブジェクトだとわかります。
では、左辺のサブクラスLawsonShopを使って、インスタンスオブジェクトを作ってみましょう。
tokyo_shop = LawsonShop('12', 'Tokyo', 'franchisee')
tokyo_shopというインスタンスオブジェクトを作成しました。店コードは12、所在地は東京、店の種類はフランチャイズです。
こうしてできあがったオブジェクトのtokyo_shopはあくまでタプルとしての性質を有します。それゆえインデクスで情報の取得が可能です。
tokyo_shop[0]
tokyo_shop[1]
tokyo_shop[2]
それぞれ、12、Tokyo、franchiseeとなります。
上述のように辞書と異なり普通のタプルはインデックス番号ではないキーワードでのアクセスは不可能でしたが、このnamedtuple()によって作られたオブジェクトはまるで辞書のようにキーワードを使ってアクセスすることができます。
ただし辞書の使い方とはやや異なり、「クラスによって作られたインスタンスオブジェクト」っぽい使い方となります。次のコードを見てください。
tokyo_shop.store_code
tokyo_shop.address
tokyo_shop.store_type
これを実行すると、順番に12、Tokyo、franchiseeとなります。
またタプルは、「*」演算子によってアンパック(展開)することが可能です。
print(*shop)
こうすると、「12 Tokyo franchisee」と表示されます。
ただし、今回作ったtokyo_shopというオブジェクトはあくまでタプルとしての性質を持ちます。そしてタプルはイミュータブルです。つまり一度設定した値は後から代入で変更はできません。実際、たとえばstore_codeの初期設定12を22へ変えようとして、
tokyo_shop.store_code = '22' # Errorがでます
このように直接的に代入してしまうとエラーが出ます。
以上、collectionsモジュールのnamedtuple()関数について説明しました。まだ説明していない特徴も多少ありますが、今回の範囲で簡単にまとめておきますと、
ということです。
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